活動経過
ライフスキル教育の実践研究や普及を目的として、学習会やワークショップを開催しています。
2011,2,19 一日ワークショップ (姫路市)
2011,10,29 一日ワークショップ (和歌山市)
2013,11,11 日本学校保健学会 ワークショップ (神戸市)
2013,11,24 学習会 (大阪市)
2014,2,8 運営委員会 (大阪市)
2014,5,24 学習会 (綾部市)
2014,7,24 運営委員会
2014,10,17 綾部市立西八田小学校研究発表会
2014,10,30 和歌山県立桐蔭中学校実践公開
2015,2,7 京都府中丹管内小中学校教員セルフスタディ
「ライフスキル教育学習会」
2015,2,21 運営委員会
2015,5,30 学習会 (大阪市)
2016,11,26 学習会 (大阪市)
2017,11,23 一日ワークショップ(伊丹市)
2018,11,23 一日ワークショップ(綾部市)
2019,11,16 一日ワークショップ(大津市)
2020,9,12 運営委員会(オンライン)
2021,4,24 運営委員会(オンライン)
2022,11,19 一日ワークショップ(大阪市)
2023,11,25 一日ワークショップ(大阪市)
※詳細報告は、以下をご覧ください。
2023ワークショップ活動報告
JKYBライフスキル教育ワークショップ近畿2023 報告
近畿支部は,昨年開催したワークショップと同じ大阪公立大学文化交流センター(大阪駅前第2ビル6階)において,11月25日(土)10時~16時45分に一日ワークショップを開催いたしました。今年は11名のご参加を得ることができ,時間いっぱいに参加者同士が楽しく有意義な交流をされた一日でした。関西の方々はもちろんのこと,関東からのご参加もありました。また,学生の方々の参加もあり,貴重な情報を得る機会となったことと思います。
午前は,「ライフスキル教育の理論的基礎」をテーマに,川畑徹朗先生(JKYBライフスキル教育研究会代表・神戸大学名誉教授)によるセッションを行いました。本ワークショップ全体を通して「秘密の友だち」を行うことが説明され,友だちをよく観察してよいところを発見し,具体的な言葉で賞賛することを経験を通して学ぶ機会となりました。川畑先生がおっしゃられた「ライフスキル教育を実施した中学生にどの活動をもう一度やりたいかと尋ねたところ,秘密の友だちと答えた」というエピソードが印象的でした。秘密の友だちを遂行するためにはお互いをよく知ることが大切です。参加者同士が自己紹介をしたり,グループワークで意見を出し合ったりするなかで参加者同士がお互いを理解していました。小・中学生の健康教育である喫煙防止教育を取り上げ,ブレインストーミングをして主体的に学習を進める方法を経験的に学びました。
午後からは,食生活教育のセッションでした。
前半は宇佐見美佳先生(JKYB近畿支部長・羽衣国際大学准教授)のセッションで,「ヘルスリテラシー」の概念の解説があり,私たちは日々どのような健康を意識した行動をとっているか,その行動はどこから得た情報からきたものかなどを体験的に学びました。参加者の意見から,健康を維持するには食事・運動・休養が必要ということが浮かび上がりました。健康に結びつく行動をどう決めて実行するか,私たちは多くの情報を入手して活用しています。しかし入ってくる情報は多種多様であり,よりよい意志決定をして取り入れるためには高いヘルスリテラシーが要求されます。健康行動の情報をどこから入手しているか,ブレインストーミングで出し合い,発表して共有しました。情報源にはメディアが多く出され,それは信頼できるものやそうでないものもあることが確認されました。
その後は蜂須賀のぞみ先生(大阪青山大学特任准教諭)のセッションでした。子どもたちが自身で選択するおやつはどのように意志決定するのかを考えました。子どもたちが日頃よく食べているお菓子パッケージにある情報はどんなものなのか,ヘルスリテラシーの視点で分析する必要があることが説明されました。参加者が持参したお菓子パッケージを用いてグループで表示内容を分析しましたが,特に栄養成分に着目し,お菓子の油について分析しました。油の含有量についてパッケージから判断し,自分が食べる量を考える活動をしました。またおやつカードを用いて様々なおやつの油の量を,ゲームを通じて楽しく学ぶことができました。さらに,油の摂りすぎはどんな弊害があるのかをブレインストーミングで考えて発表しました。今回のワークショップではどのセッションでもブレインストーミングを経験しましたが,いずれも方法が少しずつ異なりました。多くのパターンを知ることになり,ブレインストーミングの幅が広がったように思います。
最後に,閉会式では一日を通して活動した秘密の友だちや共に学んだ仲間へありがとうメッセージを送り合いました。タイトなスケジュールでしたが,密度の高い時間を過ごし,ライフスキル教育への理解が体験を通して高まったのではないでしょうか。
JKYBライフスキル教育ワークショップ近畿2024 報告
近畿支部は,大阪公立大学文化交流センター(大阪駅前第2ビル6階)において,11月9日(土)10時~17時,一日ワークショップを開催いたしました。今年は10名のご参加を得て,参加者同士が楽しく有意義な交流をされた一日でした。ご参加された方全員がワークショップ経験者であったため,参加型学習にも慣れたご様子でゆったりじっくりと意見交換ができました。
午前は,「ライフスキル教育の理論的基礎」をテーマに,川畑徹朗先生(JKYBライフスキル教育研究会代表・神戸大学名誉教授)によるセッションを行いました。本ワークショップ全体を通して「秘密の友だち」を行うことが説明され,友だちをよく観察してよいところを発見し,具体的な言葉で賞賛することを,経験を通して学ぶ機会となりました。2つのグループに分かれて,健康教育に関する8つのクイズが出題され,グループ対抗で競いながら健康教育の歴史を理解しました。
その後ブレインストーミングで自分または他の人のセルフエスティームを高めるにはどうしたらよいか意見を出し合い,他者や自分への賞賛や肯定がセルフエスティームの土台である自己尊重感の形成に重要であることを学ぶと同時に,自他への意識を強め,自身や他者を見つめなおすことにつながる活動となりました。
また,私たちが日々さらされている,ストレスに対する考え方(ストレスマインドセット)にもセルフエスティームの高低が強く影響しているとのことでした。「ストレスは害になる」という考え方が根底にあると問題から目を背けたり,別のことで紛らわしたりなどの情動焦点型の対処行動に傾きがちになります。しかし,「ストレスは役に立つ」というようにストレスを成長のきっかけと捉えることで不快な情動を抑えるための情動焦点型の対処法だけでなく,問題を解決するために他者の助けを借りたり,具体的な解決方法に取り組んだりなど,ストレスの根本に向き合うような問題焦点型の対処行動をすることが可能となります。セルフエスティームを高めることが,困難な状況に負けないストレスマインドセットを可能とし,結果として個人の健康にも影響することを学ぶ機会となりました。
午後からは,食生活教育のセッションでした。
早見直美先生(大阪公立大学大学院准教授)から「ストレス対処スキルを用いた食育プログラム」のご研究を,参加型学習を交えて紹介していただきました。思春期の食生活課題が示され,思春期はストレスにさらされる機会が増え,食生活に大いに影響があるとのことでした。ストレスに適切に対処しながら自信を高めていく授業実践(中学校保健体育科)を紹介され,ストレスに負けない3つのポイントとして,①健康的な生活リズムをつくる,②自分のストレスについて知る,③ストレス対処法を知るが示されました。健康的な生活リズムをつくるにはどうすればよいか?についてブレインストーミングで意見を出し合い,その中で食に関することが必ず出てくることを確認し,自分たちから出された意見として,「朝食を食べる」ことが健康的な生活リズムをつくることにつなげて朝食学習へと展開していました。また,思春期に感じるストレスには様々な種類があるが,意見を共有することで,ストレスを感じているのは自分だけでなく,多くの人が感じていることであり,感じ方に違いがあることを理解することが大切であると学びました。ここでは簡単なストレス測定を行い,各自がどんなことがストレスなのかを可視化するワークシートを使って確認しました。次に,ストレスにはいい効果もあるときがあることを示され,ストレスをプラスに変える人はどんな人かを意見交換し,「心も体も健康な人」とまとめて健康な人はストレスを跳ね返し,しなやかに生きる人であると結論づけられたことが印象的でした。これは川畑先生がいつもおっしゃっている「しなやかに生きる」心の能力,ライフスキル!ということを思い起こすことができました。このセッションから,思春期のストレス対処において,まずは朝のルーティンから健康的にしなやかにやっていこうということが心に残り,当たり前ではあるけれども思春期の忙しい子どもたちになかなか習慣づけできていない現状があるかもしれない,と想像しました。
さらに,ストレスを感じた時にどう対処するのかをブレインストーミングで出し合い,出た意見を「健康的」「不健康」その間に「どちらでもない」の3つに分類してまとめ,「健康的」に分類された意見を参考にするとよいことを学びました。例えば運動することや深呼吸すること,誰かに相談する,考え方を変えるなどを示されました。ストレスに対処するために暴飲暴食や全く食欲がなくて食べない,など食生活への影響も意見として出ることが想定されます。このような2つのケースについて取り上げ,悩んでいる友だちどんな声をかけるか?をワークシートを使ってまとめ,それを共有し,「食事はストレスで変わりやすい」ことを確認しました。本来,親しい人などと一緒に食事をする機会は楽しいものとしてストレスの良い対処法の一つであるので,食べることをもっと楽しく大切にとらえることができるよう支援できれよいなぁ,と考えました。授業実践で得た評価を早見先生から共有していただき,生徒たちは身近な内容で,自分事として捉えることができ,目標を設定して生活に取り入れる気持ちが高まったことがわかりました。食の課題を「ストレス対処」という視点から解決していくことを学ばせていただきました。
最後に,閉会式では一日を通して活動した秘密の友だちや共に学んだ仲間へありがとうメッセージを送り合いました。いつもこのメッセージに励まされて,明日への活力を得て帰られる参加者の方々を見るのがとてもうれしいです。実施後のアンケートでは,ゆっくりグループワークを楽しむことができた,すぐに生かすことができる内容だった,などのご意見をいただきました。また次年度の開催を検討していきます。
以上